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みなさんは「ファイナンス」と聞いてどんなイメージをもたれるでしょうか? 現在P&Gファイナンスで働いている社員でも、学生時代には日本企業における経理や財務を想像したり、難解な数式や分析を駆使している姿を想像した人が多いようです。しかし、実際にはそれだけにはとどまりません。ここではP&Gファイナンスがどのようにしてミッションである"長期的な利益とキャッシュフロー、株主の投資に対する利益還元の最大化"を達成しているのかをいくつかのKeywordと共に紹介していきたいと思います。
● 包括的な視点
企業を取り巻く人々の代表として、企業がニーズを満たそうとする"消費者や顧客"、企業を支えている"従業員"、企業を所有する"株主"などが挙げられます。MISSIONでも述べたように、企業が継続的に成長していくためには、これらの人々が満足し続けていくようなビジネスモデルを作り上げていくことが重要です。
これら全てを満足させるためにはまず"収益性の高いビジネスモデル"を作り上げることが重要になってくるのです。そのためにP&Gファイナンスでは、商品の研究開発から、生産、販売されるまでビジネスに関わるすべて(バリューチェーン)を包括的な視点で捉え、そこからビジネスの鍵となる活動を見つけ出し、プランの策定・提案・実行をリードしていきます。
● 入社一年目から与えられる大きな裁量権・成長し続けられる環境
このように、ファイナンスには、包括的な経営戦略の策定をすることが求められています。それゆえ、他部署や経営陣からニーズ・情報を引き出し、説得するための交渉力・リーダーシップ・プレゼン能力など、ビジネスパーソンとしての基本能力を最大限成長させることができる環境があります。また職種の特性上、一言でファイナンスといっても国・事業部にまたがって様々な仕事が存在しており、それぞれの仕事でしか得られない様々な経験・知識も存在します。これらを通じてビジネスパーソンとしての幅を広げられるということがもう一つの特徴です。
VOICE OF OUR STAFF 参照
P&Gファイナンスでは、これらの成長を会社に入ったその日から求められます。たとえ一年目であっても、所属する事業部のCFOとして、常に経営者視点での戦略提案を求められる環境は非常にチャレンジングです。しかし、“人を育てることに重きを置いた企業文化”がその成長を支えており、特にファイナンスでは「Anybody Coach」というコンセプトのもと「お互い成長させ合う」文化が根付いています。
ファイナンスでは日本人社員の約3分の2が法学部や文学部、社会学部や理系学部の出身であり、入社時点でファイナンスや経営戦略策定の専門知識を持っていません。しかし、大きな裁量権を与えられる仕事とトレーニングを通じて得たスキルを活用し、優秀なファイナンスマネージャーとしてキャリアを確立していきます。そしてその結果として、P&Gは収益性の高いビジネスモデルを創り続けているのです。
● ポートフォリオマネジメント ー ブランド・国を飛び越えて
次に、ファイナンスがどのようにビジネスを包括的視点でとらえ“収益性の高いビジネスモデル”を創りだしているのかについて見てみましょう。そのひとつとして、ポートフォリオマネジメントがあります。P&Gのように複数の国にまたがって多数の事業やブランドを経営している会社では、ビジネス全体を継続的な成長へと導くために、最適なポートフォリオを組むことが重要となってきます。
こうした経営戦略の簡単な例として、成熟市場において高いシェアを誇る事業から安定した収益を獲得し、そこから生み出された原資を成長市場に投資することにより新たなビジネスを築いていく、といったようなことが挙げられます。もう少し身近な具体例として、ある芸能事務所を考えてみましょう。事務所を成長させるには、まずは将来性豊かな若手タレントに投資を集中させ、彼らの中から売れっ子を生みだします。売れっ子は単体でも採算が取れますし、さらなる売り込みにより仕事を増やしていくことでしょう。更に人気が安定してくると彼らは大御所と呼ばれ、多くの投資をしなくても事務所に利益をもたらす存在になります。こうして大御所が稼いでくる資金を新たな投資の原資とすることで、次世代の若手タレントの育成を狙っていくことができます。これらのバランスをうまく保つことにより長期的に成長もしくは高い収益性の確保が可能となります。
これと同じようにP&Gファイナンスには、ブランド、国の枠を飛び越え、事業部全体さらには会社全体として収益性を高めることのできるビジネスモデル(ポートフォリオ)を構築することが求められています。既存ブランドの拡販、新ブランドの市場への導入をはじめ、M&Aなどによる新規事業への参入、また時として売却や撤退なども考慮にいれながら、収益性を高める事業戦略を練る。ファイナンスでは、まさにビジネスのダイナミズムを味わうことができるのです。
● グローバルで働くことができる環境
またP&Gファイナンスでは、上でも述べたように、ブランド・国を越えた包括的な視点でビジネスを考える仕事であるため、海外で働く機会も豊富に存在します。日本のP&Gファイナンス出身で、現在はシンガポールや中国などの海外オフィスで活躍している人も多くいます。加えて、アジアの新入社員が一同に介して行うトレーニングを始め、海外で行われるトレーニングも数多く存在するので、世界中のファイナンス社員とつながりを作り、学びを共有することができます。こうした環境も、社員の成長を加速させる一つの要因になっていると思います。
● オプション分析 ー すべての事業活動において
もう1つとしてオプション分析という手法があります。実際のビジネスでは、資源(人、モノ、資金)は限られていますので、様々な投資プランの中から選択して実行していくことも"収益性の高いビジネスモデル"を創り上げていく上で重要となってきます。例えば、あるシャンプーの収益性を改善するための提案を各部署に募ったとします。その結果として以下のような提案が上がってきました
1)営業統括:価格を20円下げれば売上が5%上がります
2)マーケティング:広告費を2億円投入すれば売上が10%上がります
3)生産統括:生産設備に5億円投資すれば製造原価が1個あたり50円下がります
4)研究開発:10億円かけて新製品を投入すれば来年には30億円の売上が期待できます

企業として全ての提案を実行することが可能な場合もありますが、先に述べた通り資源は限られているので 、複数の提案の中からいずれかの提案を選択していかなければなりません。ファイナンスは各部署と協働することにより情報を吸い上げ、各提案・各プロジェクトが生み出す事業価値を定量化したり、リスクを考慮したりするなどして、企業にとって最適な資源の使い方を模索し、また提案していきます。このように開発から生産、販売にいたるまで全ての事業活動における"オプション分析"を通じて、事業活動全体における取捨選択の意思決定をリードできることが、もうひとつのファイナンスの醍醐味と言えるでしょう。さらには、提案を取捨選択するだけでなく、提案された内容を継続性・収益性の面でより良いものにしていくことも、ファイナンスの重要な仕事です。