TRAINING
● P&GのHRが競争上の優位性を生み出すための7つのステップ
1. 社内外のビジネス状況を理解する
2. ビジネス目標と戦略的に合致したHRプロダクトを提供する
3. 「変革」を仕掛ける、率先する
4. 社員の能力・会社へのコミットメントを向上させる
5. HRシステム、プロセス、プロジェクトを完璧に実行・実施する
6. 企業目的、理念、価値観を擁護する
7. HRテクニカル・スキル(採用、教育、組織デザイン、人材開発、労務、報奨制度、等)をマスターする
これらのスキルをいつ、どのように身につけていくかは一様に決まっておらず、各個人によって異なり、上司と共に計画した短・長期的な「育成計画」に基づいて、ワークショップ・OJT・自主学習(オンライン教育など)などにより身に付けていきます。また、これらのトレーニングで使用される教材は世界共通のもので、各国のP&Gでの事例や ケーススタディも数多く含まれており、日本のみならず、グローバルに活躍できるHRマネージャーの育成を可能にしています。
実際のトレーニングの例
P&Gに入社後、数え切れない程のトレーニングを受けてきました。P&Gは「トレーニングカンパニー」とも呼ばれ、今まで数多くの経営者やマネージャーを輩出してきました。それはP&Gに質の高いトレーニングが揃っていることはもちろんですが、そのトレーニングを自己の成長につなげるサポートシステムがあるからです。
例えば1)マネージャーと話し合って決められた各個人の「育成計画」に基づき、「必要なときに必要なスキルを学ぶことができる」ディベロップメントシステム、2)「レクチャー⇔実践」、 「クラスルーム⇔オンザジョブトレーニング(OJT)」で構成され、学んだことを絶えず仕事に生かすトレーニングシステム等々が挙げられます。また、入社 して驚いたことは、グローバルの第一線で活躍する高い専門性を持った社員自らがトレーナーを務め、トレーニングに参加してスキルを磨くことを仕事の一部と 捉え業務時間中に行うということです。これは外部講師を招き、トレーニングを業務時間外に行う他の企業と大きく異なる点であり、「人こそが財産である」と 掲げる、P&Gの人材育成の強い姿勢の表れであると思います。
また、事業部人事を担当してからは、トレーニングを受けるのみならず、自らトレーナーの立場になり社員に対してトレーニングを行っています。例えば、部下を持つマネージャーに対しての人材管理のトレーニングやトランジションマネジメントと呼ばれる組織・人材が大きな変化を受容し、乗り越えていくために何をすべきかを学ぶトレーニングをこれまで実施してきました。自らが学ぶだけではなく、HRのプロフェッショナルとして社員に対してトレーニングを実施し、更に自らの知識・経験を高めていくということもP&GのHRで成長が加速される大きな理由の一つだと思います。
1 グローバルコミュニケーションスキル(GCS)トレーニング
  私は英語がほとんど話せなかったこともあり、入社してから3週間、4-5人の少人数で毎日朝から晩まで英語のトレーニングをみっちり受けました。ネイティブスピーカーがトレーナーを務め、いわゆる聞き取りやボキャブラリーのような基礎的な英語力から、ビジネスを効率的に進めていくコミュニケーションスキルを重点的に学ぶことができました。まだまだ英語に関しては道半ばですが、会議でためらいなく発言する今の自分は、全く話せなかった当時の自分と比べ大きく変わったと実感しています。
2 Directorsトレーニング・トップタレントトレーニング
  HRのマネージャーはリーダーの戦略的パートナーとなり、ビジネス状況を理解し、組織の変革を率先することが求められます。そういった背景から、若手の時からいわゆる役員クラスやトップタレント(次世代リーダー候補者)を対象としたトレーニングに参加し、彼らとディスカッションの中で、上記のような「センス」を磨いていくことが求められます。これは他のファンクションにはない、HRのトレーニングシステムの大きな特色のひとつです。
3 HR MBA1(中国・広州)
  HR MBA1とは全世界の若手HRマネジャー(入社約1-5年目)を対象とした4日間のトレーニングです。MBAは Managing your Business Account の略で、ビジネスリーダーの戦略的マネージャーとなるためのHRスキルを網羅的かつ集中的に学ぶことができました。トレーナーはその分野の第一線で活躍するHRマネージャーが務め、また多くのケーススタディを使用し、インドや中国等のマネージャーと活発な議論を交わす非常に実践的なトレーニングでした。グローバルマネージャーとなるため、自分はどこに強みがあり、伸ばすべき点があるのか、ということを知る良い機会にもなりました。HR MBAは世界のHR マネージャーとネットワークを作る最高の機会でもあり、今後私がグローバルプロジェクトをリードする際には、このトレーニングで培ったネットワークを駆使しプロジェクトを進めていきたいと思います。
4 OPM(Organization Performance Model)カレッジ(組織戦略)
  サロンプロフェッショナル人事担当になってすぐにOPM(Organization Performance Model)カレッジ(組織戦略)のトレーニングに参加しました。
これは、ビジネスニーズを効率的なHRのシステムに落とし込み、カルチャー(人々の行動)の変革を促し、最終的にビジネスの結果につなげるという一連のプロセスを理解し、実践するためのトレーニングです。
サロンプロフェッショナル人事の中で、当時ビジネスにいかにHRとして貢献するか悩み、苦しんでいた私にとって、目から鱗の落ちるようなトレーニングでした。
ちなみにOPMの考え方はP&Gで開発され、現在コンサルティングファームによって世界の企業に提供されています。
こうしたHRの最先端の知識や考え方を学ぶことができるのも、P&Gのトレーニングの魅力の一つだと思います。
5 C&Bカレッジ(給与・福利厚生)
  HRのプロフェッショナルとなるためには、当然のことながら、「HRテクニカル・スキル(採用、教育、組織デザイン、人材開発、労務、報奨制度、等)をマスターする」ことが求められます。
C&Bカレッジは給与・福利厚生について学ぶトレーニングであり、HR MBA1と同様、中国・広州にて、アジアのHRマネジャーとともに3日間集中的に学びました。
トレーニングは単に給与・福利厚生のシステムやプロセスを理解するのではなく、その背景や基本理念について学び、また様々なケーススタディを通じて、理解を促進させることができました。
OPMといった戦略的な人事の側面のみならず、きっちりとテクニカル・スキルを構築する機会が与えられる、こうした一連のトレーニングがHRのプロフェッショナルを育てる仕組みだと実感しています。