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プロダクトサプライ(PS)という言葉はみなさんにはなじみが薄いかと思います。というのも、PSというのはP&G独自の組織体系で、一般的なメーカーでは、複数の組織(例えば、技術開発部・生産部・資材調達部など)に分かれていることが多いです。P&Gでは、PSという組織が、メーカーの根幹業務である製品供給のすべてを担っています。世界規模で全体最適を実現しているP&GのPSの考え方を紹介させていただきます。
● Consumer Driven Supply Network
サプライネットワークとは、「原材料供給から最終需要に至るまでの全過程を統合ビジネスプロセスとして捉え、そのプロセスの改善を継続的に行うことで全体最適を実現する戦略的経営管理手法」です。
Consumer is boss(消費者こそが私たちのボスである)-この鉄則に基づき、消費者起点のサプライネットワークを構築し、いかに無駄を省き、価値ある製品を効率的に安定供給するか、競合優位性を築くサプライソリューションは何か、自分の専門エリアの知識・理解を用い、どのようにビジネスに貢献できるか、経営者の視点を持つことが求められます。
● 3-Always
PSには3つの"Always" が存在します。
1. Always There
生活消費財は店頭に商品が存在しなければ、消費者が手に取ることすら出来ません。そこに“商品が存在すること”自体が価値となります。
2. Always Preferable
その商品が消費者にとって魅力的な品質をもっていること、これも生活消費財ビジネスで勝利するためにはにとってはとても大切な要素です。特に、日本の消費者は世界中のどの国よりも品質に対して厳しい視点を持っています。
その厳しい日本の市場で品質を認められることは、世界全体での大きな利点となります。
3. Always Affordable
生活消費財において、“価格”というのは購買に大きな影響力を持っています。確かな品質の価値 ある商品を低価格で供給すること、それもPSの大きな職責です。
3つのAlways - グローバル消費財メーカーとして、世界中で毎日50億回以上も触れられる製品のすべてを安定して供給することを達成することが、P&GのPSに求められています。
● Quickly adapt to change
刻々と変わる市場に、柔軟に反応するためには、変化に敏感であり、無駄のないサプライチェーンの構築が不可欠です。自社の生産環境だけでなく、社外にも目を向け、新しいテクノロジーをできるだけ早く、適正価格で市場 に導入するため、C&D(Connect & Develop)を積極的に取り入れています。
● Work through partnerships
PSの仕事は上流から下流までのサプライチェーンを統括するため、PS内の組織・仕事も非常に多岐に渡ります。また、1つの製品を生み出すまでに、製品設計から製品導入に至るすべての過程において、社内外の多くの部署・人と協働しており、バラエティに富む仕事内容もPSの醍醐味です。そのため、垣根を越えて、互いのニーズを理解し、共通ゴールに向かい、ウィン・ウィンの関係を構築することができる、高いスキルが求められます。
● Organization building / People management
組織力の強化、人材育成は継続的なビジネスの伸長に不可欠な重要な要素です。PSには、全社員の約50%の社員が在籍しており、いわば、人材の宝庫です。会社の最も大きな部署として、ビジネスの結果同様に重要な仕事として、将来に繋がる組織・人材の育成が挙げられます。若いうちから組織のリーダーとして、人材育成や組織開発を通じて自分の成長を体感できる部署と言えます。
● Execution Excellence
棚に並んだ商品 - 消費者がP&G製品を目にし、手にする現場です。徹底した消費者理解を基に生まれたアイデアを、日々の“現場”で、忠実に具現(製品)化することは、PSの基本的責務です。この実行力こそが、消費者に手にとってもらえる製品・使ってもらえる製品を生み出す重要な鍵であり、PSに求められる資質の1つです。